カテゴリー:
どうして「歯を大切にしましょう」というのか?
こんにちは、ぐみの森歯科医院、院長です。
なぜ歯医者は、
「歯を大切にしましょう」
と何度も何度も伝えるのでしょうか。
答えは、とてもシンプルです。
一度むし歯になって失われた歯は、元には戻らないからです。
風邪をひいたときは、熱が下がり、のどの痛みも治ります。
私たちの体には免疫細胞があり、傷ついた体を修復してくれる力があります。
でも、歯は違います。
歯の表面を覆うエナメル質には血管も細胞もありません。
一度むし歯で溶けてしまうと、自分の力で元の状態に戻ることはできません。
治療で詰め物や被せ物をしても、それは「元に戻った」のではなく、「修理をした」状態です。
そして、その修理は何度でもできるものではありません。
むし歯になるたびに歯を削り、
詰め物になり、
被せ物になり、
またむし歯になれば、さらに削る。
そのたびに歯は少しずつ小さくなり、弱くなっていきます。
そして、いつか必ず治療の限界が訪れます。
「もう、この歯は残せません。」
「抜歯しましょう。」
そうお伝えしなければならない日が来ることがあります。
そのとき、多くの患者さんがおっしゃいます。
「もっと大事にすればよかった。」
「もっと早く歯医者に来ればよかった。」
「ちゃんとケアしておけばよかった。」
その後悔の瞬間に、私たち歯科医師は何度も立ち会っています。
だからこそ、まだ痛くない患者さんにも、
まだ困っていない患者さんにも、
「歯を大切にしてください。」
「定期検診に来てください。」
と、何度も何度もお伝えするのです。
私たちは歯を削りたいわけではありません。
治療を増やしたいわけでもありません。
あなたが10年後も、20年後も、30年後も、自分の歯で食事を楽しみ、笑い、健康に過ごしてほしい。
そして、いつか
「あのとき歯医者の言うことを聞いておいてよかった。」
そう思っていただきたい。
それが、私たち歯科医師が「歯を大切にしましょう」と口を酸っぱくして伝え続ける、本当の理由です。


