できるだけ歯を削らない
むし歯治療
当院では、「出来る限り削らない。MI(Minimal Intervention)」の精神に基づいて治療しています。むし歯の治療は適切な部位を削れば、痛みを感じることはほぼありません。当院ではう蝕検知液を用いてむし歯の部分だけを削り、健康な歯は飾りません。そうして、なるべく痛みを感じないむし歯治療を実現しています。 また、削らなくて良いむし歯(初期むし歯)と、削らなくてはならないむし歯の判断に気を使っています。
痛みを感じにくいレーザー治療
当院では「Nd:YAGレーザー(インパルス デンタルレーザー)」を導入し、患者さんに痛み・不快感の少ない治療を提供しています。
「Nd:YAGレーザー」は瞬間的な照射を繰り返すのが特徴です。そのため、熱の深達度を適切にコントロールできるようになり、効果的に患部の切開、止血などを行うことが可能です。熱作用による影響が抑えられるので、「出血が少ない」「副作用がない」など様々なメリットがあります。
むし歯の原因
むし歯になる原因は歯ブラシの良し悪しだけではありません。むし歯は、「自分の歯の強さ」「糖分の摂取量」「むし歯菌の数」「汚れの付いていた時間」という、4つの要素が絡み合っておこるものです。
1つだけ解決すればおこらなくなるものではないので、総合的に予防していく必要があります。
むし歯リスクを上げてしまう5つの要素
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自分の歯の強さ
歯の強さは遺伝も関係しています。生まれつき歯が弱い人は、もともとむし歯になりにくい強い歯の人に比べて、むし歯にならないように歯科予防への意識を高めることをおすすめします。
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糖分の摂取量
むし歯の原因菌である「ミュータンス菌」は甘いもの(糖分)がエサとなるため、糖分がお口の中に長時間残っている状態では、むし歯菌を増殖させる原因となります。なるべくお口の中に糖分を残さないように、ダラダラ食べをやめて規則正しい食生活を心掛けましょう。
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むし歯菌の数
むし歯は「ミュータンス菌」という菌が歯の表面にプラークをつくり、そこから分泌される酸によって歯を溶かす症状です。つまり、ミュータンス菌の数が少なければむし歯リスクも下がるということです。毎日のブラッシングと定期的なメインテナンスで、常にお口の中を清潔に保ちましょう。
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汚れの付いていた時間
お口の中にいるミュータンス菌の数を0にすることや、糖分の摂取を一切絶つことはできません。しかし、食事後に食べかすが残らないように歯の清掃を行うことで、むし歯の発症を大幅にコントロールすることができます。歯科医院で行うメインテナンスやフッ素塗布なども有効な手段です。
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食生活の乱れ
上の図は「ステファンカーブ」と呼ばれていて、お口のpHの推移を表しています。様々な要因が重なって、むし歯のリスクは上昇しますが、なかでも「再石灰化」が適切に行われているかどうかは重要です。
食事をした後、口腔内は一時的に酸性に傾きますが、唾液緩衝能と呼ばれる作用によって中性に戻ります。このような再石灰化作用によって、歯質は元の状態に戻り、むし歯になることはありません。しかし、甘い飲食物を摂りすぎたり、間食をしたりする習慣のある方は要注意。pHの低い状態が続くと、再石灰化が起こらず、むし歯の発生リスクを高めてしまうのです。
むし歯リスクを調べる
「唾液検査」
細菌の数や種類など、口腔内の状態は一人ひとり異なります。効果的にむし歯や歯周病予防を行うためにも唾液検査が不可欠です。当院では、最新の唾液検査機器「SiLL-Ha(シルハ)」を導入しています。わずか5分で検査結果がわかるので、患者さんの負担を抑えつつ、一人ひとりに合わせた予防プラグラムを作成可能です。むし歯や歯周病のリスクが細かく把握できれば、患者さんの治療やメインテナンスに対するモチベーションがさらに向上します。
唾液検査で調べられること
唾液検査で調べられること
- むし歯菌 … むし歯菌が多い方は細菌の塊である歯垢(プラーク)が付着しやすいのが特徴です。
- 酸性度、緩衝能 … 緩衝能の作用が弱いと、エナメル質の成分が流出(脱灰)しやすくなり、むし歯のリスクが高まります。
口腔清潔度の検査
- アンモニア … 口腔内のアンモニアの数・濃度によって、口臭の原因を細かく判断できます。
歯ぐきの健康の検査
- 白血球、タンパク質 … 口腔内に炎症が起こると、免疫機能によって唾液中の白血球やタンパク質が多くなる傾向があります。
唾液検査の流れ
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Step01
洗口
10秒間、洗口用の水で口をすすぎ、コップに洗口した水を出します。
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Step02
試験紙に滴下
コップに入れた洗口液を、スポイトで試験紙に滴下します。
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Step03
検査・結果のご説明
専用の検査キットの開始ボタンを押します。検査結果は分かりやすいレーダーチャートを見ながらご説明します。
重度のむし歯治療
「根管治療」
ZOO(防湿システム)
歯の根に達したむし歯は激しい痛みを伴います。この末期のむし歯であっても、根管治療をすることで、通常抜歯する歯も抜歯をせずに済む場合があります。当院では根管長測定器・3mix治療・レーザー治療を採用し、より成功率の高い根管治療を行います。出来る限り痛みをなくし、治療日数を減らす努力をしています。
根管治療に必要なのは、お口の中の汚れが歯の中(根管)に入り込まないようにすることです。当院ではZOOという特殊な装置を使い、二次感染を防いでいます。
ルーペ
根管治療は肉眼では見えない歯の根の治療のため、視野を拡大できるルーペを使用して治療を行います。また、マイクロスコープと違ってどこでも持ち運びができるため、すべての根管治療に使用することができます。
3か月に1回、定期検診を受けましょう
むし歯になったら治すのではなく、むし歯にならないために歯を守る意識を持つことは非常に大切です。一度むし歯になると、元に戻すことはできません。特に治療後もメインテナンスを継続しないと、むし歯の再発リスクが高まり、徐々に歯を削る量は増えていきます。再治療を繰り返すごとに、健康な歯は失われていくのです。「しばらく歯科医院に行っていない」「治療を終えた歯の健康を維持したい」など予防治療はどなたにとってもメリットのある治療です。ぜひ定期的なメインテナンスで一生健康な歯をキープしましょう。